私の趣味が詰まった金庫。その中身は・・・

私は今年で30歳。世の中の「婚活」ブームが冷めてきた中で、元々仕事が忙しくて時間が取れなかった私は、「もういいの。私はどうせ一人寂しく余生を送るの」と、もう結婚に対してはあきらめムードでいます。

ちなみに私が勤めているのは、若いころにお世話になった方の零細企業。そこで私は受付嬢件、事務員という何だか微妙なポジションで日々仕事に追われています。同僚は若い営業さんが二人で、その内一人は男性です。この人がかなり「いい男」で、一時期は私も「この人と結婚したら、幸せな家庭が築けそうだなぁ」などと妄想したりしました。

ですが現実は残酷なものです。結局この男性は、仕事で知り合っていた若て可愛い女性と籍を入れ、私の結婚願望は誰にも知られることなく潰えたのです。

もうこうなってしまっては、自分の趣味にすべてを掛けるしかないと、吹っ切れた私はかねてから集めていた品々の収集により熱い情熱を注ぐようになりました。これらの品々は、私のアパートに置いてある高さ50センチほどの中型金庫にぎっしりと詰め込まれ、もし急に親が尋ねて来たとしても目に触れないようになっています。私の趣味が詰まった金庫。その中身は・・・男同士がくんずほぐれつしている、いわゆる「薄い本」。人には中々理解されない趣味ですので、厳重に閉まっておこうと金庫を買ってしまうようになりましたが、結婚を諦めて現在、これがこんなに役に立つようになるとは思っていなかった私なのでした。