金庫には札束が入っていると思い込んだ弟

私は大学時代は親元から離れて一人暮らしをしていましたが、就職を機に生まれ故郷である地元に戻り、再び実家住まいを始めました。元々、「大学が終わったら実家に帰ってくる」という約束で一人住まいを了解してもらっていたので、それを守った形です。

実は実家は、結構な面積の畑や田んぼを所有しており、いわゆる「専業農家」として生計を立てており、長男の私がゆくゆくは跡を継くことに元からなっていました。両親にしてみれば、大学を卒業して実家に私が戻ったことで一安心といったところなのでしょう。こちらとしても、これでひとまずの義理は果たしたので少しだけ肩の荷が下りた気分です。

さて、このように私は実家に戻って社会人としての経験を積みつつ、ゆくゆくは農家を継ぐことを視野に入れて生活していますが、これとは対照的に自由な暮らしを満喫している家族が一人います。それが、私の5歳年下の弟です。
彼は地元の大学に進学してはいるのですが、将来何になるかなどの目標はまだ持っていない様子。日々、好きな趣味に没頭して時間を過ごしています。それだけならいいのですが、どうも浪費癖もあるようで、両親に金の無心をすることが増えてきている様子で、私としては一度ガツンと注意しなければならないだろうなと思っています。

先日も私が会社に行っている際に、この弟が実家の金庫を開けようとしたようで、父親にこっぴどく怒られている場面に遭遇しました。どうも彼は、「うちの金庫には札束が入っている」と何故か思い込んだようで、私は「もう少し実社会の仕組みなどに触れるべきだ」と説教しました。金庫に現金をそのまま入れるなど、この情報化した現代社会ではほぼありえません。私は、そんなことも分からない弟の能天気さに驚き、「これは矯正に時間が掛かるな」と思ったのでした。